母の父がNorthern Dancer系だけで39頭(53%)もいるが、Northern Dancerを含む母とすると51頭(69%)にも及び相性の良さを伺わせる。
もちろんSSと配合されるのはNorthern Dancer系を含む母が多いので、大まかな系統別に分けて傾向を見てみる。
ノーザンテースト
活躍馬のほとんどが母か祖母または叔父や叔母などの近親が活躍馬。距離別で見ると1200mと1800m、グレード別ではG3勝ち止まり多いことから軽いスピードに優れている反面、底力に欠けると言える。また3歳前半でピークを迎える早熟タイプが多く、春のトライアル以降は悲しい思いをするのも特徴だろう。ただし母自身にMahmoudのクロスがありBlenhiem系やGainsbrough系のスタミナが多い血統の場合は、ローゼンカバリーや(母の父ではないが)ステイゴールドのように長く中長距離路線で活躍できるようだ。(G1を勝てないことには変わりないが。)
Nijinsky系(Nijinsky,Caerleon,マルゼンスキー,ヤマニンスキー,ノーアテンション)
Bull LeaやBull Dogといったクロスからスタミナがあり中距離以上に適性があるが、スピード不足となりやすく重賞勝ち馬は母系でMenowやNasrullah、Khaledなど優れたスピードの血を補っている。逆にスピードさえあれば重賞勝ち7頭中5頭がG1馬と底力を期待できるので、一発大物狙いには最適。POG的には産駒に優れたスピードタイプが多いCaerleon、マルゼンスキーが良いだろう。
Lyphard系(Lyphard、Al Nasr)
Lyphardがヨーロッパの血を主体とするためSSの持つアメリカ系のスタミナの影響が弱く、マイルから10Fで鋭い決め手を発揮するスピードタイプが多いのでG1を狙うなら牝馬の方が有利だろう。じっくり溜めて末を生かす脚質の馬が多いのも特徴で、これはLyphard系の激しい気性が影響を及ぼすためと思われる。配合的には母がHyperionやMahmoudのスタミナを生かしていれば、12F以上もこなせる馬が出る可能性もあるはずだが、これまでの傾向からは難しいだろう。
Danzig
母の父の産駒の傾向と同じくスピードに優れ底力も期待できるが、脚元がちょっと弱いところも同じ。母系でBlenhiemやHyperion、Bull Leaといったスタミナを補うタイプが活躍しているようだが、それでも3歳戦の10Fが限界なのでPOGでは2歳戦、桜花賞が目標になりそうだ。早熟ではないと思うが出走回数が少ないので、体質的にも少し弱いかもしれない。
Northern Dancer系は以上の4系統だけではないが、共通して見えてくるのは
1.Northern Dancerが4代以内にあること。
2.「Hyperionの影響が強い(近親クロスを持つ)母」または「Tom Foolのようなアメリカ系のタフなスピードを持つ母」が多い。
これら2点ともAlmahmoudクロスの効果をより高めるために必要だと考えられ、先に挙げた4系統の活躍馬にも該当する産駒は多い。この辺りに注目していけば、かなり頭数は絞れてくるはずだ。
また、母の父がNorthern Dancer系でなくても母の4代以内にNorthern Dancerがある場合はAlmahmoudの影響が最優先になりやすいので、Northern Dancer系との配合と同じと考えた方がいいだろう。
|